今日の新着記事抗菌薬(抗生物質)が効かない薬剤耐性菌により、国内で年間8千人以上が亡くなっているとの推計を、国立国際医療研究センター病院のグループがまとめ、5日公表した。耐性菌は世界的な脅威になっているが、国内での推計死者数が示されたのは初めて。2019年12月05日配信朝日新聞社
サラリーマン
薬剤耐性菌をどんな菌ですか?
抗生物質が効かなくなった菌のことです。
前崎 先生
薬剤耐性菌は抗生物質が効かなくなった菌のことです。
本来、抗生物質は菌を殺したり、菌が増えることを抑制したりする薬です。
ところが、薬剤耐性菌になるとその抗生物質の効果が出なくなってしまいます。
サラリーマン
薬剤耐性菌はどうやって生まれるのですか?
抗生物質を使いすぎることによって生まれます。
前崎 先生
薬剤耐性菌は抗生物質を使うことによって生まれます。
でも、感染症を治すためには抗生物質はどうしても必要です。
ところが、無駄な抗生物質を使ったり、大量の抗生物質を長期間使ったりすることによって薬剤耐性菌が生まれます。
サラリーマン
では、薬剤耐性菌を作らないためにはどうすればいいのですか?
抗生物質を適正に使うことが大切です。
前崎 先生
感染症を治すためには抗生物質は必要です。
でも、抗生物質が必要ない感染症に抗生物質を使う必要はありません。
例えば、風邪はウイルスによる感染症ですから、本来なら風邪の治療に抗生物質は必要ありません。
このように、必要のない抗生物質を使うことを止めて薬剤耐性菌が生み出されないようにすることが大切です。
ここがポイント薬剤耐性菌は必要ではない抗生物質を使うことで生み出されます。抗生物質は必要な時に、最小限で使いましょう。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症