アビガン、有効性示せず コロナ治療の臨床研究 月内承認「前のめり」指摘

今日の新着記事新型コロナウイルス感染症の治療薬候補アビガンを巡り、国の承認審査にデータを活用できると期待された臨床研究で、明確な有効性が示されていないことが19日、分かった。複数の関係者が共同通信に明らかにした。感染した著名人がアビガンの投与後に回復したと公表し、安倍晋三首相は「5月中の承認を目指す」とするが、現時点で薬として十分な科学的根拠が得られていない状況だ。2020年5月20日配信共同通信社
お母さん
お母さん
アビガンはどんなお薬ですか?
本来はインフルエンザに有効なお薬です。
前崎 先生
前崎 先生

アビガンがインフルエンザウイルスに有効な薬剤です。

インフルエンザウイルスとコロナウイルスには共通点があるため、コロナウイルスにも有効ではないかと考えられています。

タミフルなど他のインフルエンザに有効な薬剤と違って、アビガンはウイルスの増殖を抑える作用があります。

お母さん
お母さん
アビガンが新型コロナウイルスに有効かどうかはどうやって調べるのですか?
科学的には偽薬(プラセボ)を使った患者さんとの違いと確認する必要があります。
前崎 先生
前崎 先生

アビガンだけでなく、多くの薬剤の有効性は同じような病気の患者さんに偽薬(プラセボ)と本当の薬剤を投与して、その効果に違いがあるかを確認します。

これは臨床試験あるいは治験と呼ばれるもので、現在この臨床試験が行われています。

ある程度の数の患者さんで試験して、その差が確認されれば、有効な薬剤と考えられます。

お母さん
お母さん
もし、臨床試験で差がないときはどうなりますか?
科学的にはそのお薬は有効なものとは考えられません。
前崎 先生
前崎 先生

多くの薬剤はこの臨床試験の結果から、統計学的に偽薬(プラセボ)との比較で有効性が確認された後に、実際に患者さんに使用できることになります。

もし、アビガンの臨床試験の結果で、偽薬(プラセボ)との差がないときは、その薬を飲んでも、飲まなくても効果に差がないことになります。

そればかりではなく、お薬を飲めば、ある確率で副作用が起こるので、逆効果になることもあります。

ここがポイントアビガンが新型コロナウイルスに有効かどうかは最終的には臨床試験の結果をみて判断されるべきです。

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