新型コロナウイルスワクチン以外のワクチン
新型コロナウイルスワクチン以外のワクチンは主に生ワクチンと不活化ワクチンがあります。
生ワクチンは弱毒化した病原体をワクチンとして接種します。
そのため、副反応としてその病原体が感染したときと同じような症状が出ることがあります。
その反面、感染した場合と同じような免疫ができ、長い期間にわたって免疫が維持できます。
ただし、免疫不全の人や妊婦には接種できません。
生ワクチンを接種する場合は、原則として4週間の間隔をあける必要があります。
もう一つが不活化ワクチンです。
不活化ワクチンは病原体の抗原物質をワクチンとして接種します。
そのため、病原体が体内で増殖することはなく、感染したときと同じような症状が副反応としてでることはありません。
ただし、免役反応が弱いため、数回の接種が必要となることがあります。
また、接種間隔に制限はなく、同時接種が可能です。
インフルエンザワクチンはこの不活化ワクチンになります。
新型コロナウイルスワクチンはどんなワクチン
現在、日本で主に接種されている新型コロナウイルスのワクチンはmRNAワクチンと呼ばれるものです。
このワクチンは特殊な粒子の中に新型コロナウイルスのmRNAを入れて、それを接種します。
このmRANの増幅によって作られたタンパク質を抗原として認識し、抗体ができます。
生ワクチンのように病原体そのものを接種するのではないため、不活化ワクチンであるインフルエンザワクチンとの同時接種が可能です。
例年、インフルエンザワクチンは10月下旬から12月上旬にかけて接種されますので、今年は新しい2価の新型コロナウイルスワクチンと接種時期が重なるため、同時接種することがいいと思います。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症