今日の新着記事厚生労働省は、インフルエンザで医療機関を受診した患者が昨年秋から今月7日までの今季、推計約1万4000人だったと発表した。インフルエンザの患者数は現在の調査手法となった1999年以降では最も少なかったとみられる。患者が比較的少なかった昨季は、推計約72万5000人だった。2021年3月15日配信読売新聞
お母さん
インフルエンザはいつ流行しますか?
毎年12月の下旬から流行が始まり、3月中旬には収まります。
前崎 先生
インフルエンザは毎年、12月下旬から流行が始まり、翌年の2月上旬をピークに3月中旬には流行が収まります。
患者数はある決められた病院から1週ごとに保健所に報告されます。
この患者数がする一定の数字を超えると注意報や警報として、各都道府県から報告されます。
お母さん
今年のインフルエンザの患者数は異常に少ないのですか?
数字から見ると異常に少ないと言えます。
前崎 先生
今年のインフルエンザの患者数は昨年の500万分の1未満と異常に少なくなっています。
これだけ患者数が少なくなった年は、現在の方法で患者数を把握するよになってから初めてのことです。
その理由はこれから解明されてくると思いますが、新型コロナウイルス感染症が大きな原因と思われます。
お母さん
どうしてこんなにインフルエンザの患者数が少なくなったのですか?
これは推測ですが、新型コロナウイルス感染症の感染対策が奏功した可能性があります。
前崎 先生
インフルエンザも新型コロナウイルスと同じように飛沫感染によって感染します。
そのため、新型コロナウイルスの感染対策としてのマスクの着用や手洗いの励行などはインフルエンザの感染対策にも有効です。
さらにインフルエンザのワクチン接種が無料となり、多くの人が接種したことも理由の一つと考えられています。
ここがポイント今年のインフルエンザの患者数は、これまでの統計の中で最も少なくなっており、昨年の500万分の1未満となっています。新型コロナウイルスの感染対策がインフルエンザの感染対策にも奏功したと考えられています。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症