今日の新着記事仙台市は、5日の市議会災害対策会議で、同市で新型コロナウイルスの感染を確認した患者の検体からE484Kと呼ばれる変異株を2月中旬以降、167件検出したと明らかにした。E484Kは、一部のワクチンで効果を弱める可能性が指摘されている。2021年4月6日配信共同通信社
サラリーマン
E484Kはどんな変異株ですか?
スパイクタンパクと呼ばれる一部が変化したウイルスです。
前崎 先生
E484Kは新型コロナウイルスの484番目のタンパク質がグルタミン酸からリシンに変化したウイルスです。
このタンパク質が変化するとコロナウイルスのスパイクタンパクと呼ばれる構造が変化すると言われています。
スパイクタンパクは抗原として重要なタンパク質と言われています。
サラリーマン
スパイクタンパクが変化するとどうなりますか?
抗体が抗原として認識しなくなる可能性があります。
前崎 先生
スパイクタンパクが変化すると抗体が認識しなくなる可能性があります。
そのため、従来の新型コロナウイルスに感染して、抗体がある人でも再感染する危険性があります。
また、ワクチン接種によって作られた抗体も認識しなくなる可能性があります。
サラリーマン
では、ワクチンが効かなくなるのですか?
その可能性も否定できません。
前崎 先生
ワクチン接種によってできた抗体が認識しないと、ワクチンの効果が低くなる可能性があります。
だたし、この変異株のmRNAを用いたワクチンの開発は技術的には可能と思われます。
将来的にこの変異株が流行の主体となれば、そのようなワクチンが開発されると思われます。
ここがポイント新型コロナウイルスの変異株の一つであるE484Kは、ワクチンの接種や、既存株の感染で作られた抗体から認識されない可能性があり、再感染やワクチンの有効性の低下などが懸念されます。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症