マダニ感染症が急増 熊本県が注意呼び掛け「野外では長袖を」

今日の新着記事熊本県は28日、マダニが媒介する「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の感染者が急増しているとして、注意を呼び掛けた。SFTSは6~14日の潜伏期間を経て、発熱やおう吐、下痢などの症状が出る。13日には80代女性が死亡している。今年の感染者は25日時点で8人で、過去最多だった昨年(6人)を既に上回った。内訳は62~92歳の男女で、5人が農作業や草刈り中にマダニにかまれているという。2021年06月29日配信 熊本日日新聞

お母さん
お母さん
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)はどんな感染症ですか?
マダニが媒介するウイルス感染症です。
前崎 先生
前崎 先生

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)はマダニが媒介するウイルス感染症です。

原因となるウイルスはSFTSウイルスで、ウイルスを保有するマダニに咬まれることによって感染します。

マダニの活動が活発となる春から秋にかけて患者数が増加します。

お母さん
お母さん
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ではどのような症状がでますか?
発熱や全身倦怠感に加えて嘔吐、下痢などの症状がでます。
前崎 先生
前崎 先生

潜伏期間は6~14日間とされます。

38℃以上の発熱で発症し、全身倦怠感や嘔吐、下痢などの消化器症状を認めることが多いとされています。

重症例では急速に進行して、多臓器不全になって死亡する症例もあります。

お母さん
お母さん
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)はどのように診断されますか?
マダニに咬まれた部位を確認して、抗体検査や遺伝子検査で確定します。
前崎 先生
前崎 先生

典型的な症例では、マダニに咬まれた部位に痂皮を認めることがあり、その部位の近くのリンパ節が腫大します。

血液検査では白血球数や血小板数が減少することが多く、肝機能異常などが認められます。

確定診断のためには専門の機関でウイルスの遺伝子検査や抗体検査をします。

お母さん
お母さん
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の治療法はありますか?
根本的な治療法はなく、対症療法が中心になります。
前崎 先生
前崎 先生

SFTSウイルスに有効な薬剤はいまだにありません。

治療は対症療法と全身管理が中心となります。

ただし、マダニの咬傷によるツツガムシ病や日本紅斑熱との鑑別はつかないことが多いため、抗菌薬が投与されます。

マダニに咬まれないようにすることが最も大切です。

マダニの活動期の春~秋に野山に入る時には、できるだけ肌の露出が少なくなる服装を身に着け、野生動物にはむやみに接触しないようにしてください。

また、最近では犬や猫などペットに付着したマダニに咬まれて発症することも報告されていますので、犬や猫などのペットのダニの駆除も獣医さんと相談してきちんと行ってください。

ここがポイント重症熱性血小板減少症候群(SFTS)はウイルスを保有するマダニに咬まれることによって感染します。重症例では死亡することもあります。根本的な治療法はなく、マダニが活動する時期には屋外で作業する際には長袖、長ズボンなど咬まれないようにすることが大切です。

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