3回目接種までのワクチンの副反応は
日本では多く人が3回目のワクチンの接種を受けています。
これまで3回目までのワクチンによる有害事象としてはファイザーもモデルナも2回接種より少なくなっています。
海外の臨床試験ではファイザーのワクチンでは38℃以上の発熱は18~55 歳で 8.7%の頻度でした。
またモデルナのワクチンも38℃以上の発熱が 7.3%と発熱の頻度は 2 回目より低くなっています。
わが国の 3 回目接種の調査では18 歳以上の有害事象はモデルナ製の方が高い傾向がみられましたが、2 回接種後の有害事象とは大きな差はありませんでした。
有害事象 | ファイザー | モデルナ |
注射部位疼痛 | 91.5% | 94.3% |
倦怠感 | 69.2% | 79.7% |
頭痛 | 55.0% | 68.5% |
発熱(37.5℃以上) | 39.9% | 66.7% |
発熱(38℃以上) | 21.3% | 47.4% |
4回目のワクチン接種の副反応
イスラエルの臨床試験における 60 歳以上の 4 回目接種での有害事象は、倦怠感がファイザー製 21.5%、モデルナ製 38.3%でした。
37.5℃以上の発熱はファイザー製 3.8%、モデルナ製2.1%であり、有害事象の頻度は 3 回目接種と比べて少ないことが報告されています。
英国での 4 回目接種の臨床試験では倦怠感が 10%前後、発熱が数%程度と 2~3 回目の接種と比べて軽度でした。
今回、日本でも4回目の接種では発熱はファイザーが約15%、モデルナが26%で、ともに1~3回目接種時の調査に比べて低かったと報告されています。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症