今日の新着記事国連合同エイズ計画(UNAIDS)は6日、年次報告書を発表し、2019年にエイズウイルス(HIV)に新たに感染したのは170万人で、死者は69万人と推計した。感染者総数は3800万人に上っているが、抗HIV薬が普及してきたことも反映し、死者の減少傾向は続いている。2020年07月07日配信 共同通信社
お母さん
エイズはどんな感染症ですか?
エイズウイルスによるウイルス感染症です。
前崎 先生
エイズはエイズウイルスによるウイルス感染症です。
ヒトの血液中のリンパ球に感染して、病気を起こします。
ウイルスが感染するとある種のリンパ球の数が極端に少なくなり、さまざまな病原体に対する免疫が弱くなってしまします。
お母さん
エイズはお薬で治りますか?
有効なお薬を飲めば、治すことができます。
前崎 先生
エイズに有効なお薬を飲めば、エイズを治すことができます。
エイズウイルスに感染すると極端に数が少なくなるある種のリンパ球の数が正常に戻ることによって、免役力が回復します。
ただし、このお薬はエイズウイルスを殺す作用でなく、病気の進行を止めて免疫力を保つ役割をします。
お母さん
エイズが治ればお薬を止めてもいいのですか?
現在のお薬では一生お薬を飲み続ける必要があります。
前崎 先生
現在のお薬では一生お薬を飲み続ける必要があります。
今のエイズのお薬は副作用も少なく、1日に服用するお薬の量も少ないので、毎日きちんと飲んでもらうことが大切です。
薬を飲むことを途中でやめると、お薬が効きにくくなる耐性のウイルスが出現して、治療が難しくなります。
今では、お薬をきちんと飲んでもらえば、エイズ患者さんも十分長生きができます。
ここがポイント今ではエイズに有効なお薬がありますが、お薬をきちんと飲んで、しかも一生飲み続ける必要があります。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症