はしか、世界的に流行 ワクチン接種減影響か 欧州で急増、日本でも

今日の新着記事世界各地ではしかの感染が拡大している。世界保健機関(WHO)によると、2023年は前年比8割増の30万人以上の感染が報告され、特に欧州での増加が目立つ。背景に新型コロナウイルス流行時、はしかのワクチン接種率が下がったことがある。日本でも2月以降複数の感染例が出ており、今後拡大が懸念されるとして、厚生労働省はワクチン接種を呼びかけている。2024年3月4日配信共同通信社

今、ヨーロッパで麻しん(はしか)の患者さんが増えています

実は今、欧州では麻疹患者の報告数が急増しています。

例えば英国では1か月に50人以下であった報告数が、昨年12月には150人以上と3倍以上に急増しています。

このグラフは2023年の1月から12月までに英国の保健省に報告されている麻しん(はしか)の患者さんの数です。11月から12月にかけて急増しています。

世界保健機関(WHO)もこの事態を深刻に受け止めており、WHOのハンス・クルーゲ欧州地域事務局長は、「欧州では、麻疹患者が30倍に増加しただけでなく、2万1000人近くが入院し、5人が関連死している。これは懸念すべきことだ」と述べています。

原因としては新型コロナウイルス感染症のパンデミックの影響で、特に子どもたちでワクチンの接種率が低下したことが一因と考えられています。

感染力が最も強い感染症です

麻しんは感染力が最も強い感染症の1つです。

空気感染(飛沫核感染)、飛沫感染、接触感染とさまざまな感染経路を示し、その感染力が極めて強い感染症の1つです。

1人の患者さんから免疫のない何人の患者さんに感染するか?

この数字を見ても麻しんの感染力はとても強いことが判ります。

麻しんの予防にはワクチンが有効です。

現在、日本では第 1期として生後 12~24か月未満の児に、第2期として5歳以上7歳未満で小学校就学前1年間の子どもにMRワクチン(乾燥弱毒生麻しん風しん混合 MR ワクチン)をそれぞれ1回ずつ定期接種されています。

ワクチンの効果は高く、1回接種による免疫獲得率は93~95%以上、2回接種による免疫獲得率は97~99%以上と報告されています。

2015年以降、日本国内では麻疹が排除されていますが、これを維持するには接種率を95%以上に保つ必要があります。

しかし、2022年には第2期の接種率が95%に満たない都道府県が多くあり、中には90%以下の地域もあります。

麻しんの予防には第1期と第2期のMRワクチンを確実に接種することが重要です。

ここがポイント今、ヨーロッパで麻しん(はしか)の患者さんの数が急増しています。インバウンド需要の回復とともに日本に持ち込まれることが懸念されます。MRワクチンを確実に接種して防ぎましょう。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする