西ナイル熱はどんな感染症ですか?
西ナイルウイルスによるウイルス感染症です。
西ナイル熱はフラビウイルスの一種である西ナイルウイルスによるウイルス感染症です。
西ナイルウイルスを持つ鳥の血液を蚊が吸って、その蚊が人を咬むことで感染します。
西ナイル熱は世界中でどこに多いのですか?
世界中にありますが、2000年以降は米国で多くなってます。
西ナイルウイルスは1950年代から中東、欧州、アフリカで流行がありました。
2000年以降は米国で流行しており、2003年や2012年には大流行しました。
日本での患者の発生は今までありません。
西ナイル熱はどんな症状がでますか?
感染しても無症状のことも多くありますが、時に神経症状がでることもあります。
西ナイルウイルスに感染しても症状がでない人も多くいます。
感染して2~6日後に20%の人に熱がでます。
高い熱がでて、体が怠かったり、節々が痛くなるなどインフルエンザに似た症状がでます。
ごく稀に、手足のまひや痙攣などの神経症状がでることがあります。
西ナイル熱はワクチンで防ぐことができますか?
残念ながらワクチンで防ぐことはできません。
西ナイルウイルスは日本で夏にみられる日本脳炎ウイルスと同じ仲間です。
日本脳炎はワクチンで防ぐことができますが、残念ながら西ナイル熱は防ぐことができません。
有効なお薬もありませんから、症状に応じた治療をします。
西ナイル熱は米国の大都会でも蚊から感染するウイルス感染症として注意が必要です。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症