日本が初の結核「低蔓延国」に かつては「不治の病」、欧米に近づく

今日の新着記事厚生労働省は30日、国内で2021年に結核との診断を受けた患者は人口10万人あたり9・2人だったと発表した。初めて10人を切り、世界保健機関(WHO)の分類で「低蔓延(まんえん)国」となった。2022年09月01日配信 朝日新聞社

結核はかつては国民病と呼ばれていました。

結核は結核菌による細菌感染症です。

空気感染と呼ばれる感染経路のため、一度に多くの患者さんが感染する集団感染を起こします。

まだ、公衆衛生が十分ではなかった頃の日本では多くの人が結核に感染し、死亡していました。

また、結核は栄養状態が悪いと感染しやすくなるため、欧米並みの食生活になるまでの日本では結核の患者が多くありました。

その後、公衆衛生の向上や、日本人の栄養状態も改善し、結核に感染するリスクが少なくなりました。

今日の新着記事長年、結核の蔓延(まんえん)国と位置付けられてきた日本の患者数が減少し、厚生労働省が今夏公表する2021年の統計で、初めて欧米【続く】

また、ストレプトマイシンをはじめとするいくつかの結核に有効な薬剤も開発され、治療効果も高くなり、亡くなる患者さんも少なくなりました。

それでも、先進国の中では日本は人口当たりの結核の患者数は多い傾向が続いてきました。

人口10万人当たりの結核の患者数は発展途上国より少ないものの、日本は欧米より多い患者数となっています。

その患者数が近年、やっと欧米並みに少なくなってきました。


2020年になって、日本も低蔓延国の基準をクリアしました。

それでもまだ結核の患者さんはいます

日本全体の結核の患者数は減少しましたが、いくつかの問題も残っています。

一つは都市部における結核の患者数がいまだに多いことです。

患者は東日本より西日本に多く、中でも大坂は人口当たりの患者数が日本で一番多い地域です。

結核の患者数は西日本に多い傾向にあり、中でも大坂、京都など近畿地方の都市部に多い傾向にあります。

二つ目は外国人の結核患者の増加です。

このことは東南アジアを含め、今でも結核の蔓延国から日本にやってきた外国人に結核が多く発生しています。

この傾向は今後も続くものとみられています。

結核は診断や治療の進歩とともに、今では患者数も減少傾向にあります。

それでも、まだ毎年結核患者は発生しています。

結核。それは昔の病気ではありません。 世界からみれば、日本はまだ結核の多い国です。 結核という病気をみなさんはご存知でしょうか? 何となく【続く】

今後は結核の根絶を目指して、診断や治療さらに予防に力を注ぐ必要があります。

ここがポイントこれまで日本では国民病と呼ばれてきた結核の患者数が順調に減少し、欧米並みの患者数に近づき、低蔓延国になりました。

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