うなぎ弁当130人食中毒 90代死亡、京急百貨店店舗

今日の新着記事横浜市保健所は29日、土用の丑(うし)の日だった24日から25日にかけ、京急百貨店(同市)の地下1階の食品売り場で「日本橋鰻伊勢定」が販売したうなぎ弁当などを食べた客計130人が下痢や嘔吐(おうと)などを発症する食中毒を起こしたと明らかにした。90代女性が死亡したが、因果関係ははっきりしていない。大半は軽症という。保健所によると24~25日、弁当やかば焼きなど、少なくとも1500食以上を販売。これらを食べた一部の人の便から下痢や嘔吐などの原因となる黄色ブドウ球菌が検出された。2024年07月30日配信 共同通信社

黄色ブドウ球菌とエンテロトキシンとは

黄色ブドウ球菌は、ヒトを取り巻く環境やいろいろな動物や鳥などに広く分布しています。

健康な人の鼻、喉、腸管などにも生息して、健康者の20 ~30%は保菌しています。

黄色ブドウ球菌はグラム染色という特殊な染色液で染めて顕微鏡で見ると丸い形をして青く染まる菌で、ブドウの房のように固まってみられます。(公益社団法人日本食品衛生協会)

黄色ブドウ球菌が食品中で増える時にエンテロトキシンと呼ばれる毒素を作ります。

ばい菌の仲間たち 青く染まる菌(グラム陽性菌)(第1回) ブドウの房のような丸い菌です。黄色ブドウ球菌 今回の感染症の小部屋はこれまでと少し【続く】

エンテロトキシンはトリプシンなどの消化酵素や熱に対して抵抗性があります。

多くのブドウ球菌による食中毒はA型と呼ばれるエンテロトキシンによって起きます。

エンテロトキシンはT 細胞を特異的に活性化し、短時間に多種類のサイトカインを大量産生させる作用があり、「細菌性スーパー抗原」とも呼ばれています。

黄色ブドウ球菌による食中毒は

ブドウ球菌食中毒はエンテロトキシンを、食品と共に摂取することによって起こる毒素型食中毒です。

今日の新着記事三重県は7日、同県松阪市京町の飲食店の仕出し弁当を食べた6~45歳の男女7人が下痢や嘔吐などの食中毒症状を訴え、うち2人の嘔吐【続く】

ブドウ球菌食中毒のすべての食中毒に占める割合は、1984年以前は 25~35%であったが、年々少なくなってきて、1997年には3%まで減少しました。

食中毒を引き起こす主な原因は、「細菌」と「ウイルス」です。ブドウ球菌による食中毒は2.6%とそれほど多くはありません。(厚生労働省 食中毒統計資料)

ただ、2000年には加工乳が原因となった雪印ブドウ球菌食中毒では13,000名を超える患者さんがでました。

エンテロト含まれた含まれた食品を食べると、約3時間後に激しい吐き気・嘔吐、お腹の痛み、下痢を伴う急激 な症状を起きます。

一 般には1~2日で自然に回復し、死亡することはほとんどありません。

まれに発熱やショック症状を伴うこともある。重症例では入院することもあります。

とくに高齢者や乳幼児では注意が必要です。

予防には、食品製造業者や食品製造従事者への衛生教育の啓発が大切である。

手洗いの徹底、食品の10℃以下での保存、手指に傷や化膿のある人は食品を直接 触ったり、調理しないなどのことを徹底することが大切です。

さらに調理にあたっては、帽子やマスクを着用し、調理したものはできるだけ早く食べるように心掛けることが重要です。

黄色ブドウ球菌による食中毒の予防策

  • 食品の適切な温度管理(特に冷蔵保存)
  • 調理器具や手指の徹底した衛生管理
  • 食品の早期消費
  • 調理後の食品の常温放置を避ける
ここがポイント黄色ブドウ球菌による食中毒はエンテロトキシンと呼ばれる毒素を食べ物と一緒に摂取するこ起こります。食品を扱う人の徹底した衛生管理が大切です。

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