秋接種、全住民対象に準備 コロナワクチンで厚労省

今日の新着記事重症化しやすい高齢者らを対象に今年秋以降の導入を検討しているオミクロン株対応の新型コロナウイルスワクチンについて、厚生労働省は26日、自治体向け説明会をオンラインで開き、2回目までの接種を終えた全ての住民が対象になる想定で会場の手配などの準備を進めるよう求めた。2022年07月27日配信 共同通信社

新しい2価のmRNAワクチン

米国のモデルナ社は6月にオミクロン株にも対応した新しい2価のmRNAワクチンの開発した公表しました。

今日の新着記事米モデルナは8日、新型コロナウイルスのオミクロン株に対応した新ワクチンの臨床試験で、強い免疫反応を引き起こし防御効果が見込める【続く】
このワクチンはこれまでのデルタ株以前の変異株のスパイクタンパクに加えて、オミクロン株のスパイクタンパクを作るmRNAを含んでいます。

これまでのmRNAワクチンは3回目、4回目接種でもオミクロン株に対する中和抗体の産生が少ないことが判りました。

mRNAワクチン(Pfizer/BioNTech BNT162b2)の2回接種を完遂した神戸大学病院の医師 82人を対象として、ワクチン接種後約2ヶ月の時点の中和抗体を測定しました。その結果、オミクロン株に対しては28%しか中和抗体を持っていませんでした(図A)。さらに、オミクロン株に対する中和抗体価はどの変異株と比較しても有意に低い値でした(図B)(神戸大学大学院医学研究科附属感染症センター臨床ウイルス学分野)

また、その中和抗体も早期に減弱して、効果がなくなることが判りました。

そのため、新たにオミクロン株のmRNAも同時に入れた2価のワクチンが開発されました。

新しい2価のワクチンはオミクロン株にも有効

モデルナ社はこれまでのmRNAワクチン(mRNA-1273)と新しい2価のワクチン(mRNA-1273.214)の比較の臨床試験を行いました。

その結果、mRNA-1273.214を追加接種することによって、オミクロン株に対する中和抗体が約8倍増加することが判りました。

さらに、デルタ株以前のこれまでの変異株に対する中和抗体も十分作られることが判りました。

発熱や倦怠感、および注射部位の疼痛などの副反応はこれまでのmRNA-1273ワクチンとほぼ同じ程度とされています。

再び新型コロナウイルスの話題(第1回) ワクチンは本当に有効か 今回の感染症の小部屋では、再び新型コロナウイルス感染症の話題を取り上げます。【続く】
この結果からモデルナ社では、早ければ秋にも米国で承認を得て、実用化する予定です。

ファイザー社も同様に2価のmRNAワクチンを開発中です

米国のファイザーとドイツのビオンテックも6月にオミクロン株に対応した2価のmRNAワクチンを開発したと発表しました。

臨床試験ではオミクロン株の派生型「BA・1」を標的としたワクチンを30μgと60μgを接種しました。

その結果、BA・1に対する中和抗体価がそれぞれ13.5倍と19.6倍に増加しました

しかし、実験の結果から現在流行しているBA・5に対する抗体を作る作用が弱いことが判り、効果があるか若干疑問視されています。

今日の新着記事世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は20日の記者会見で、新型コロナウイルスのオミクロン株派生型「BA・5」について「これ【続く】

mRNAワクチンはナノ粒子の中に入れる遺伝子情報を変えることによってさまざまな抗原タンパクを作り出すことができるため、オミクロン株に対応した2価ワクチンが作られました。
ここがポイント厚生労働省はこの秋にオミクロン株にも効果が期待できる新しい2価のmRNAワクチンを住民全員に接種することを決めました。これによってオミクロン株への感染予防効果が期待されます。

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