「最も感染力強い」と警戒 コロナBA・5でWHO

今日の新着記事世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は20日の記者会見で、新型コロナウイルスのオミクロン株派生型「BA・5」について「これまでに検出された変異株で、最も感染力が強い」と警戒を呼びかけた。感染者急増を受け「今後数週間で、入院患者や死者も増えることが見込まれる」とし、各国に感染防止策やワクチン接種率向上に向けた取り組み強化を求めた。2022年7月21日配信共同通信社

いま、世界中で感染しているのはすべてオミクロン株

新型コロナウイルスのB.1.1.529系統の変異株(いわゆるオミクロン株)が圧倒的に多い状況が世界中で続いています。

世界中で検出されるウイルス株のほぼ全てはオミクロン株で、その他の変異株はほとんど検出ていません。

オミクロン株の亜系(BA・5)について

2022年1月にオミクロン株の亜系BA.4系統が、2月にBA.5系統がいずれも南アフリカで検出さました。

BA.4系統、BA.5系統が有する遺伝子変異はその多くがBA.2系統と共通しています。

BA.2系統との違いは、BA.4/BA.5系統はスパイクタンパク質に69/70欠失、L452R、F486V変異をもっていることです。

BA.4系統、BA.5系統は感染力が強く、ワクチンの効果が低くなりますが、重症化しやすいことは証明されていません。

南アフリカ国内では2022年4月から5月にかけてBA.4系統、BA.5系統が占める割合が上昇し、BA.2系統からの置き換わりが進みました。

そして、この時期に患者数の増加を認めています。

ポルトガルにおいても5月にBA.2系統からBA.5系統への置き換わりが進み、感染者数の増加がみられました。

今日の新着記事兵庫県姫路市は23日、新型コロナウイルスのオミクロン株変異系統「BA.4」の感染者1人が確認されたと発表した。市内に住む50代【続く】

このことからBA・5系統は感染力が高いと考えられています。

BA.4系統、BA.5系統にワクチンは有効か

オミクロン株のスパイクタンパクのアミノ酸変異は30個前後で、これまでの変異株の7~13個に比べてとても多くなっています。

特に抗体がくっ付く部分が変異しているので中和抗体がくっ付きにくくワクチンの効果が低くなります。

実際にファイザーのワクチン2回接種3週後の血清中の中和抗体は、オミクロン株では1/23に低下していました。

今日の新着記事新型コロナウイルス感染者の増加要因とされるのが、ワクチンの効果の減少と、免疫をすり抜ける性質を持つとみられるオミクロン株派生型【続く】

オミクロン株ではワクチンの効果がこれまでの変異株よる低くなります。

モデルナのワクチンでも2回接種後の中和抗体は1/41~1/84に低下していました。

ただし、3回接種後はファイザーでもモデルナでもこれまでとほぼ同じ程度まで上昇していました。

ファイザーのワクチン3回目接種14日後の血清中の各亜系統に対する中和抗体の平均が、BA.1で900、BA.2で829でしたが、BA.4/5では275に低下していました。

4回接種の感染予防効果はオミクロン株が流行しているイスラエルから報告されています。

それによると3回接種群の感染率が4回接種から4週経過した群より2倍近く高くなっています。

しかし、この感染予防効果は接種後3週をピークに徐々に低下し、8週後にはほぼ効果がみられなくなっていました。

再び新型コロナウイルスの話題(第1回) ワクチンは本当に有効か 今回の感染症の小部屋では、再び新型コロナウイルス感染症の話題を取り上げます。【続く】

4回接種でも発症予防効果は3週目をピークに減少し、8週目にはほぼなくなりました。

幸いに重症化を防ぐ効果は長期間維持されていました。

さらに、60歳未満の多い医療従事者を対象としたイスラエルの研究では、4回目を接種していない人に比べて4回目接種した人の感染予防効果に差は見られませんでした

ここがポイントオミクロン株の亜系統であるBA・5はこれまでのオミクロン株に比べて感染力が強く、ワクチンの効果が低下することが判りました。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする