マイコプラズマ肺炎急増 新型コロナ対策影響か

今日の新着記事呼吸器感染症の一つ「マイコプラズマ肺炎」の患者数が過去10年で最多のペースで増えている。国立感染症研究所が27日に発表した速報値では、12~18日に全国の定点医療機関から報告された患者数は625人(1機関当たり1.3人)で、前年同時期の40倍超となった。新型コロナウイルス対策で患者が減り、免疫を持たない人が増えたことが原因とみられる。2024年08月28日配信 共同通信社

現在のマイコプラズマ肺炎の発生状況

マイコプラズマ肺炎は、感染症発生動向調査において全国約500カ所の基幹定点医療機関(小児科及び内科医療を提供する300床以上の病院)から週単位で報告される5類感染症の一つです。

2014年~2023年での10年でみると、最も報告数が少なかった報告年は2022年(395件)で、最も報告数が多かった報告年は2016年(19,721件)でした。

新型コロナウイルス感染症流行開始後は流行状況に変化が認められ、2020年5月以降は報告数が減少しました。

直近の2024年は、2020~2023年と比較して報告数が増加しています。

2024年のマイコプラズマ肺炎の発生状況は第20週以降に急増して、第33週現在では昨年の同時期の40倍になっています。(国立感染症研究所からの報告)

マイコプラズマとはどんな生物

マイコプラズマは自分自身で増えることができる最小の生物と言われています。

小さい生物にはウイルスなどがありますが、ウイルスは自分自身で増えることができず、ヒトの細胞などの力を借りて増えます。

マイコプラズマはヒトの細胞など利用しないでも、自分だけで増えることができます。

肺炎マイコプラズマを顕微鏡で見ると目玉焼きのような小さな丸い形をしています。(国立感染症研究所のホームページより)

マイコプラズマは細胞壁をもっていません。このことがペニシリンなど細菌には効く抗生物質が効かない理由なのです。

マイコプラズマによる肺炎は、頑固な咳が特徴と言われています。

新たな性質を持つマイコプラズマ 2024年は年明け早々に大きな地震が発生したり、大惨事になるところであった飛行機事故が発生したり、なんとな【続く】

専門的になりますが、聴診器で肺の音を聞いてみると痰が絡んだような音が聞こえることが少ないとされています。

その他にも血液検査をすると白血球の数がそれほど増えないことも特徴とされています。

マイコプラズマ肺炎の治療

マイコプラズマは細胞壁をもっていません。

ペニシリンなどの抗生物質は細胞壁にくっ付いて効果を示します。

そのため、マイコプラズマではペニシリンは効果がないことになります。

マクロライド系薬やキノロン系薬といった抗生物質が効くため、マイコプラズマ肺炎を治療するときは、このようなお薬を使います。

細菌と同じようにマイコプラズマでも薬剤耐性が問題となっており、マクロライド系薬が効かないマイコプラズマが年々増えてきています。

ここがポイントマイコプラズマ肺炎の患者数が急増しています。新型コロナウイルスの流行期には減少していましたが、その後流行が続いています。注意が必要です。

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