ギラン・バレー症候群流行 ペルー、緊急事態宣言

今日の新着記事南米ペルー政府は11日までに、筋力低下や感覚まひが起きる神経疾患ギラン・バレー症候群の発症が増加し死者も出ているとして、全土に保健衛生に関する90日間の緊急事態を宣言した。地元メディアによると9日までに約180人が発症、4人が死亡した。首都リマ近郊が最も多く26件、北西部ラリベルタで19件が報告された。保健省によると、ペルーでは2020年に484件、21年に210件、昨年は225件の発症が確認された。2023年07月12日配信 共同通信社

ギラン・バレー症候群の原因は

ギランバレー症候群は、神経の病気の一つであり、主に末梢神経に障害が出てきます。

原因としては、免疫の異常や、先天的な遺伝によるものが考えられています。

もう一つの原因は何らかの感染症の後に発症するため、感染も原因の一つと考えられています。

原因となる感染症はウイルス感染や細菌感染が考えられています。

ギランバレー症候群の原因となるウイルスは

ギランバレー症候群の原因となるウイルスは、複数の種類が関与することが知られています。

ジカウイルス

ジカウイルスは、蚊によって媒介されるウイルスであり、ギランバレー症候群の原因ウイルスの一つと考えられています。
実際に、南米では過去にもジカウイルスの流行によってギランバレー症候群が増えた報告があります。

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ジカウイルスの流行地域

ジカウイルスは、2007年にはミクロネシア連邦のヤップ島での流行、2013年にはフランス領ポリネシアで約1万人の感染が報告され、2014年にはチリのイースター島、2015年にはブラジルおよびコロンビアを含む南アメリカ大陸での流行が発生しました。(出典:US CDC. Zika virus  http://www.cdc.gov/zika/)

エプスタイン・バールウイルス(EBウイルス)

EBウイルスはヘルペスウイルスの一つで、伝染性単核球症と呼ばれる病気を起こします。
その中にギランバレー症候群を発症する症例があります。

サイトメガロウイルス

サイトメガロウイルスもヘルペスウイルスの一つで、免疫不全患者に感染すると発症します。
このウイルスもギランバレー症候群との関連が考えられています。

インフルエンザウイルス

毎年、冬に流行するインフルエンザウイルスのギランバレー症候群を発症する原因ウイルスの一つと考えれています。
このようにギランバレー症候群の発症に関わるウイルスはいくつか考えられていますが、これ以外のウイルスでもその原因になることがあると考えられています。

ウイルス以外にギランバレー症候群の原因なる感染症は

ウイルス感染以外にもギランバレー症候群の原因となる感染症があります。その原因微生物としては

カンピロバクター菌

カンピロバクター菌は汚染された食べ物や水によって人に感染します。カンピロバクター菌に感染した後にギランバレー症候群に似た症状を認めることがあり、原因の一つと考えられています。

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カンピロバクター菌の電子顕微鏡写真(東京都健康安全センター)


カンピロバクター菌は長さ0.5〜5μm、幅0.2〜0.4μmのグラム陰性らせん状桿菌である。両極にそれぞれ1本の鞭毛を持ち、コルクスクリュー様の独特な運動をします。

ボツリヌス菌

カンピロバクター菌と同じように汚染された食べ物や水から感染します。ボツリヌス菌による中毒がギランバレー症候群と似たような症状を示すことから原因の一つと考えられています。

マイコプラズマ

肺炎などの呼吸器感染症を起こすマイコプラズマもギランバレー症候群の原因となる感染症の一つと考えられています。

ここがポイント南米のペルーでギランバレー症候群の患者が多く発症しています。原因はジカウイルスなどのウイルス感染や、カンピロバクターなどの細菌感染が考えれますが、詳細は未だ不明です。

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