インフルエンザの検査はどのように行うか
インフルエンザはインフルエンザウイルスによる急性のウイルス感染症です。
現在は、その診断には抗原検査キットが一般的に使われています。
この検査は患者さんの鼻咽頭拭い液を用いて、外来でも簡単にできる検査です。
所要時間も10~20分程度で、その場で検査結果を知ることができます。
ただし、発熱患者の鼻咽頭拭い液を採取するときは新型コロナウイルスも否定できないため、医療従事者は感染を防ぐ個人防護具を着用する必要があります。
一般の外来ではこの個人防護具が準備してないため、発熱外来を受診する必要があります。
熱がでたらまず自分で新型コロナウイルスの抗原検査をして、陰性なら一般の外来へ受診を
新型コロナウイルスの抗原定性検査キットは薬局やネット通販で購入できます。
インフルエンザの流行期に発熱した患者さんがすべて発熱外来を受診すると発熱外来がパンクする可能性があります。
そのため、インフルエンザの流行期に発熱した時には、まず新型コロナウイルスの抗原定性検査を自ら行って、結果が陰性の時には一般の外来を受診してインフルエンザの検査を受けてください。
ただし、今ではインフルエンザと新型コロナウイルスの抗原定性検査を同時に行える検査キットが利用できます。
この検査キットは病院に行かなければ検査できないため、この検査キットをどのように活用するかも今後検討が必要です。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症