新型コロナウイルスの感染防御は
新型コロナウイルスの主に飛沫感染、一部にエアロゾル感染
新型コロナウイルスの感染は主に飛沫感染、一部にエアロゾル感染によっておきます。
そのため、飛沫感染を防ぐにはある程度以上の距離を取ること(ソーシャルディスタンス)とマスクの着用が効果的です。
結核や麻しんなどと同じ空気感染することはないため、陰圧の病室を用意することは必ずしも必要ありません。
また、同じ飛沫感染をするインフレンザと同じように患者さんを個室に隔離すれば感染を防ぐことができます。
ただし、新型コロナウイルスの発生初期には感染経路が不明な点もあり、またワクチンや治療薬もなかったためより厳しい感染対策が取られました。
今でも厳重な個人防護具で診療しています
これまで、新型コロナウイルスの患者さんの診療は病棟単位で他の患者さんとは分けていました。
これが、いわゆるコロナ病棟と呼ばれるものです。
また、診療する医療従事者は厳重な個人防護具(PPE)を身に着けています。
しかし、感染経路が主に飛沫感染であることや、ワクチン接種、治療薬の普及を考えるとより身軽な個人防護具で診療可能との考えもあります。
また、患者さんが入院する病室も病棟単位ではなく、病室単位で他の患者さんと区別できれば、同じフロア―でも管理可能と考えれています。
今後は、個室管理または新型コロナウイルスの患者さんを同じ病室で管理するコホート管理が適切と思われます。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症