マダニ媒介の感染症SFTS 人から人への感染を国内で初確認

今日の新着記事マダニを通じて感染する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)が人から人へ感染したケースを国内で初めて確認した、と国立感染症研究所が19日発表した。発表によると、人から感染したのは20代の男性医師。2023年4月にSFTSと診断された90代男性の診療を担当し、この患者が死亡後にカテーテルを外すなどの処置をした。男性医師は、90代男性と初めて接触してから11日後に38度の発熱や頭痛などの症状が出て、PCR検査でSFTSと確定診断された。2024年03月20日配信 朝日新聞デジタル

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)とは

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)はSFTSウイルスによるウイルス感染症です。

2011年に中国の研究者らにより初めて報告され, その後, 日本と韓国でも感染例が報告されています。

SFTSはマダニに咬まれることによって感染します。

最近ではイヌやネコなどのペットから感染したと思われる症例が報告されています。

今日の新着記事致死率が高い「ウイルス性出血熱」の一つ、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)が拡大している。感染者数は昨年、一昨年と過去最多を【続く】

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)はどんな症状がでるか

潜伏期間は5~14日間とされています。

高い熱がでて、頭が痛くなったり、節々が痛くなったりします。下痢などの症状を伴うことも多くあります。

重症になると意識がなくなったり、下血などの出血症状が出ることもあります。

血液検査をすると白血球や血小板の数が少なくなっていたり、肝機能の異常が認められます。

軽症例では1週間程度で症状が回復して、2週間でほぼ治って行きます。

重症例では、数日の経過で死亡することもあります。

現時点で、ワクチンや有効な薬はありません。

心地よい季節を好む感染症 関東では満開の桜もほぼほぼ散り始めて、また来年のお楽しみになりました。今年はお花見の際の行動制限もかなり緩和され、【続く】

SFTSの発生状況は

2013年は年間40件の報告数が2023年には132件と急増しています。

2024年1月31日現在で、全報告数は939件で、うち104件が死亡しています。

男性と女性の報告数はほぼ同じで、70歳代が最も多くなっています。

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死亡例も高齢者に多く、80歳代で44件と最も多くなっています。

発病時期は春先から初夏に多く、毎年、5月か6月に最多となっています。

マダニの活動が活発になる春先から初夏にかけて患者数が増える傾向にあります。また、全体の患者数も年々増加傾向を示しています。(国立感染症研究所のホームページより)

発生地域としては西日本に多く、なかでも宮崎県、鹿児島県、高知県などで発生数が多くなっています。

患者の発生地域は近畿より西の都道府県に多くあります。なかでも宮崎県、鹿児島県、高知県に多くの患者が発生しています。(国立感染症研究所のホームページより)

2024年1月現在、東京都から北の地域での発生はありません。

今回の本邦ではじめてのヒトからヒトへの感染事例は

今回の事例は高齢のSFTSの患者の診療に従事した20歳代の救急部の医師が感染しました。

重症の患者さんでいろいろな処置を行っていました。

そのときに患者さんの血液中にいるウイルスが感染してと考えられています。

幸いにもこの医師は約2週間の経過で治癒しています。

ここがポイントSFTS(重症熱性血小板減少症候群)はダニやイヌ、ネコなどから感染するウイルス感染症です。今回、我が国でははじめてヒトからヒトに感染した事例が報告されました。高齢者では死亡することもあり今後も注意が必要です。

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