ヒトに感染する多くはListeria monocytogenes (リステリア・モノサイトゲネス)と呼ばれる菌です。
ヒトに感染する多くはListeria monocytogenes (リステリア・モノサイトゲネス)と呼ばれる菌です。
リステリア・モノサイトゲネスはヒト以外にも多くの動物に感染する人獣共通感染症です。
リステリア菌は世界中の国々で検出され、ヒトや動物以外でも多くの環境からも検出されます。
ヒトにおけるリステリア症は1929年にはじめて報告され、日本では1958年に最初の患者が報告されています。
リステリア症を発症しやすいヒト
- 免疫不全者
- 高齢者
- 妊婦
- 乳児
リステリア症は食品を介して感染します。
リステリア症は菌で汚染された食品を食べることによって感染します。
原因となる食品は牛乳、チーズ、アイスクリームなどの乳製品のほかに肉や野菜が原因となります。
リステリア菌は4℃の低温でも生育することができるため、冷蔵保存した食品からも感染することがあります。
一般には原因と思われる食品が特定されることは少ないと言われています
リステリア菌は食品を介して感染しますが、下痢や腹痛など食中毒の症状を認めることは少ないとされています。
リステリア菌に感染した際に現れる病気
- 成人
- 髄膜炎や敗血症
- 妊婦
- 流産の原因
- 乳児
- 敗血症性肉芽腫症
リステリア症の症状は
成人がリステリア菌に感染すると、初期には倦怠感、発熱などのインフルエンザ様の症状があります。
その後、38 ~39 ℃の発熱、頭痛、嘔吐などの髄膜炎に伴う症状が出現します。
進行すると意識障害やけいれんなどの症状がで出てきます。
細菌感染症なので、抗生物質が有効です。
一般的にはペニシリン系の抗生物質を治療に使用しますが、重症の髄膜炎ではアミノ配糖体やテトラサイクリン系の抗生物質を併用して治療します。
埼玉医科大学 感染症科・感染制御科 教授
医学博士
長崎大学医学部を卒業後、呼吸器内科、感染症内科で臨床および研究に従事。現在は埼玉医科大学病院で感染症の診療と院内感染対策を主な業務とし、学生や研修医の教育も行う。日本感染症学会の理事や厚生労働省の審議会などの役職も務める。
専門は内科学、感染症学、感染制御学、呼吸器感染症